人気エリアでは2桁値上がりも
AI技術などを活かした不動産売買支援の総合サービスを展開するリーウェイズ株式会社(以下、リーウェイズ)は6月2日、独自に保有する不動産ビッグデータを活用した、過去3年間の東京都内における家賃変動分析を実施、その結果を公表した。調査対象は東京都内の専有面積20~30平米、築10年以上20年未満のSRCまたはRCマンション物件で、2021年~2024年のデータを用いている。

上昇率が低いエリアは、大崎駅エリアの5.0%、田端駅エリア、西日暮里駅エリアの5.2%、日暮里駅エリアの5.3%などで、5%未満の上昇エリアは見られなかった。

賃料上昇幅が小さい、安定エリアとしては、田端・西日暮里・駒込・巣鴨・五反田・大崎などが挙げられた。いずれも住宅地としての性質が強く、短期間での人口流入が少ないエリアといえる。そのほかこれらエリアでは大規模な再開発も少なく、賃貸需要の急激な増加も生じにくい傾向にあることが小幅な変動にとどまった理由のひとつと考えられた。
交通利便性は確保されているものの、都心人気エリアほどの競争もなく、家賃が安定したとの分析もなされた。
賃料上昇傾向は今後も継続か
リーウェイズでは、都心部の顕著な賃料上昇傾向について、いくつかの理由を見出している。第一には、再開発が挙げられ、渋谷・品川・田町エリアなどで進む再開発により、オフィスや商業施設の新設が発生、エリアの魅力度が増すことで住宅需要も高まったとされた。
第二には、インバウンド需要の回復が挙げられた。海外旅行者やビジネス客の増加に伴い、都心部の賃貸市場も高騰、中でも民泊需要が高いエリアで賃料上昇が顕著な傾向が確認されている。
第三には、コロナ禍で一時的に郊外移住ニーズが高まったものの、都心回帰の動きが進行中であることが指摘された。リモートワークの減少やオフィス出社頻度の上昇といった回帰傾向により、再び職住近接で都心に住まいを求める動きが出てきている。
第四には、新築供給の減少が挙げられた。建築コストの全般的上昇や規制強化の影響などから新築マンション物件の開発が抑えられ、供給が限定的であるため、中古物件への需要が集中、相場全体を押し上げる要因になっているとされる。
同社は今後の都心部賃貸市場について、引き続き高い需要が見込まれることから、賃料上昇の傾向を維持する可能性があるとした。一方で金利動向や経済状況によっては、市場に変化が生じることも考えられ、注視が必要としている。
(画像はプレスリリースより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000070.000046242.html