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首都圏中古マンション、成約の約3割が築31年以上に

2022/3/3 07:00

東日本レインズが築年数に見る不動産流通市場動向を発表
公益財団法人東日本不動産流通機構は2月25日、2021年版の「築年数から見た首都圏の不動産流通市場」について調査結果を公開した。

首都圏域にある中古マンション及び中古戸建住宅の成約・新規登録物件について、建築後の経過年数別に2021年の1~12月に発生した動向が調査・分析されている。

それによると、2021年中に首都圏で成約した中古マンションの平均築年数は22.67年で、前年より0.68年、経過年数が増した。新規登録物件は27.23年で、こちらも前年の2020年に比べ、0.40年増加している。

2011年から2021年にかけ、成約物件、新規登録物件とも平均築年数が増加してきており、成約物件は安定した緩やかな伸び、新規登録物件は2016年を境に増加ペースもアップして延伸し続けていることがうかがわれる。

ただし2021年は成約物件と新規登録物件との築年数の乖離幅が前年に比べわずかだが縮小した。この乖離幅が縮小傾向となるのは6年ぶりのこととなる。

一方、中古戸建住宅については、2021年に成約したものの平均築年数は21.20年で、前年より0.42年減少した。これに対し、新規登録物件の平均築年数は23.78年で、前年より0.35年増加している。よってこちらは乖離幅が拡大、4年連続の開き傾向となった。

2011年からの直近10年における推移では、成約物件で緩やかな増加が続いていたが、今回初めて減少に転じた。新規登録物件は2016年と2017年でほぼ横ばいとなったのを除き、緩やかな増加傾向を続けてきている。

中古マンションでは成約の約3割、新規登録の約4.5割が築31年以上
築年帯別構成比率を見ると、中古マンションの場合、2021年の成約物件では「築0~5年」が9.6%、「築6~10年」が14.2%、「築11~15年」は14.2%、「築16~20年」で13.3%、「築21~25年」で11.0%、「築26~30年」が8.1%、「築31年以上」は29.7%だった。

築10年以内の成約物件は前年比でほぼ横ばいだが、築11年~20年の帯域では減少傾向があり、築26年以上の割合が増加している。とくに築31年以上の物件が3割に迫った点が特筆される。

さらに築31~40年の物件割合は15.0%であり、築40年超も14.7%にのぼったとも報告された。

新規登録物件では、「築0~5年」が7.8%、「築6~10年」で8.6%、「築11~15年」は9.9%、「築16~20年」は9.4%、「築21~25年」で9.6%、「築26~30年」が10.1%、「築31年以上」は44.7%となっていた。

各帯域、前年比で見ると小幅な変動にとどまるが、築31年以上の物件が44.7%とさらに増加し、築25年以内の帯域は今回、いずれも1割に満たなかった。

なお、こちらの築31~40年に該当する物件は23.2%で、築40年超が21.5%だった。

築25年以内の場合、成約物件の構成比率が新規登録物件の構成比率を上回っており、選択肢が少ない中、ニーズは高くあることが分かる。最も差幅が大きいのは築6~10年の帯域だった。

中古戸建住宅の築年帯別構成比率では、成約物件の場合、「築0~5年」が11.3%、「築6~10年」で14.9%、「築11~15年」が12.8%、「築16~20年」は13.7%、「築21~25年」は12.8%、「築26~30円」で10.5%、「築31年以上」は24.0%となっていた。

築11~30年の各帯域で前年より構成比率が減少し、築10年以内と築31年以上の各割合が増加している。二極化が進んだと見ることもできるだろう。

築31年以上の24.0%のうち、築31~40年に該当するものは13.7%、築40年超は10.3%だった。

新規登録物件は「築0~5年」が12.0%、「築6~10年」が11.2%、「築11~15年」で10.6%、「築16~20年」は11.3%、「築21~25年」は12.0%、「築26~30年」が11.0%で「築31年以上」は31.9%となっている。

築5年以内が前年比で2.0ポイント増加、直近10年で最大となった。築6~10年も微増している。一方、築11~30年の各帯域は成約と同様、前年より減少した。築31年以上は前年より増加している。

築31年以上の31.9%のうち、築31~40年が16.0%、築40年を超えるものが15.9%だった。

築6~25年においては、成約物件の構成比率が新規登録物件の構成比率を上回っている。中でも最もその差幅が開いたのは築6~10年で、中古マンションと同じ結果になった。

対新規登録成約率は、中古マンションの場合、「築0~5年」で30.5%、「築6~10年」で40.7%、「築11~15年」で35.3%、「築16~20年」が34.9%、「築21~25年」は28.3%、「築26~30年」で19.9%、「築31年以上」は16.4%となっていた。

戸建住宅の場合では、「築0~5年」が28.8%、「築6~10年」が40.8%、「築11~15年」で37.2%、「築16~20年」が37.1%、「築21~25年」で32.7%、「築26~30年」は29.2%、「築31年以上」で23.1%だった。

中古マンション、中古戸建住宅のどちらも全ての築年帯域で値が前年比上昇となり、最も上昇したのは中古マンションが築21~25年、中古戸建住宅が築11~15年になっている。

築年帯別の物件属性として平均価格に注目すると、中古マンションでは成約物件が「築0~5年」で6,136万円、「築6~10年」で5,538万円、「築11~15年」で4,886万円、「築16~20年」で4,685万円、「築21~25年」で3,746万円、「築26~30年」では2,275万円、「築31年以上」で2,040万円となっていた。

新規登録物件では、「築0~5年」が6,239万円、「築6~10年」で5,462万円、「築11~15年」で4,686万円、「築16~20年」で5,067万円、「築21~25年」で3,979万円、「築26~30年」で2,419万円、「築31年以上」では2,358万円になっている。

新規登録物件では、築16~20年の物件が築11~15年の物件の平均価格を上回り、5,000万円台となった。なお平米あたりの単価では、築31年以上の物件が築26~30年の物件の値を上回っている。

物件面積に関しては、全ての築年帯域で成約物件が新規登録物件を上回る結果となった。全体に広めの物件にニーズがあるとみられる。

中古戸建住宅の場合、成約物件の平均価格は「築0~5年」で4,557万円、「築6~10年」で4,155万円、「築11~15年」で3,955万円、「築16~20年」で3,810万円、「築21~25年」で3,421万円、「築26~30年」で2,917万円、「築31年以上」では2,355万円となっていた。

一方、新規登録物件の平均価格は「築0~5年」で5,102万円、「築6~10年」で4,791万円、「築11~15年」で4,896万円、「築16~20年」で4,749万円、「築21~25年」では4,407万円、「築26~30年」で3,874万円、「築31年以上」で2,884万円だった。

築31年以上の建物面積を除き、土地・建物面積は成約物件、新規登録物件とも築年数が増すにつれ、規模が大きくなる傾向にあり、築浅物件はコンパクト志向、経年が進んだ物件は広さ重視派に向くとみられる。

(画像はプレスリリースより)

外部リンク

公益財団法人東日本不動産流通機構 プレスリリース
http://www.reins.or.jp/pdf/trend/rt/rt_202202.pdf

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