30平米~50平米未満のマンション市場動向を調査
ワンルームマンションとファミリータイプマンションの中間に位置するコンパクトマンション。単身者やDINKS、シニア層が主なターゲットとする一方で、セカンドハウスやSOHOとしての利用も見られるなど、購入層やユーザーニーズは多様化している。2000年ごろに大きな注目を集めたが、現在の動向はどうなっているのだろうか。株式会社 不動産経済研究所がその動向を調査し、4月10日に「首都圏・近畿圏コンパクトマンション供給動向」と題するレポートを公開した。
調査は、2024年に首都圏および近畿圏で供給された専有面積30平方メートル以上50平方メートル未満のマンションを対象に、市場の動向を分析したものである。なお、近畿圏においては実需用に加え、投資用物件も集計対象に含めている。

首都圏は5年連続でシェアは1割超え、価格は2年連続で5,000万円超え
2024年における首都圏のコンパクトマンション発売戸数は2,642戸で、前年から975戸減少した。発売全体に占める割合は11.5%となり、前年比で2.0ポイント低下したものの、5年連続で1割を上回る水準を維持している。地域別では、東京23区が1,199戸(シェア14.5%)で最多となり、次いで神奈川県が636戸(同12.9%)、埼玉県が354戸(同10.7%)と続いた。東京都下は175戸(同8.6%)、千葉県は278戸(同6.2%)であった。
東京23区、神奈川県、埼玉県の3地域では、いずれも発売全体の1割を超えるシェアを占めている。
価格は引き続き高値で推移しており、2024年の平均価格は5,248万円と、前年から2.7%上昇。5,000万円を超えるのは2年連続となった。
エリアごとの平均価格は、東京23区6,406万円(前年比3.8%上昇)、東京都下5,032万円(同23.8%上昇)、神奈川県4,401万円(同7.3%上昇)、埼玉県3,894万円(同0.5%上昇)、千葉県4,048万円(同14.1%上昇)と、すべての地域で前年を上回った。
近畿圏は供給・価格ともに上昇、大阪・奈良で大幅増
2024年における近畿圏の発売戸数は1,411戸で、前年から160戸増加した。全体に占める割合は9.3%となり、前年比で1.2ポイント上昇している。府県別では大阪府888戸(シェア10.1%)、兵庫県216戸(同5.8%)、京都府297戸(同17.5%)、奈良県6戸(同3.3%)、滋賀県4戸(同0.7%)となり、和歌山県では供給がなかった。
供給戸数だけでなく価格も上昇傾向が続いており、近畿圏全体の平均は3,797万円で、前年比4.0%の上昇となった。
エリア別では、大阪府が3,904万円(前年比8.7%上昇)、奈良県が3,459万円(同24.2%上昇)、滋賀県が3,210万円(同4.2%上昇)と前年を上回った。
その一方で、兵庫県は3,413万円(同11.4%下落)、京都府は3,770万円(同4.7%下落)と前年を下回る結果となった。
(画像はプレスリリースより)
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