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空室対策に課題を感じる物件オーナー、77.5%に

2025/4/19 07:00

入居率の向上を最も重視するも対策には課題あり
株式会社人と不動産は15日、全国の賃貸物件オーナーを対象とする「賃貸物件オーナーの本音調査」を実施、その結果をとりまとめて公開した。不動産オーナーの現状や課題、抱える悩みなどの実態を調査している。

調査は、東京・神奈川・大阪・愛知・埼玉・千葉・兵庫・福岡・北海道・京都に在住し、賃貸物件を複数所有している400人を対象に2025年3月18日~3月26日の期間、インターネットリサーチで行った。

まず、保有する賃貸物件について空室対策は十分だと考えるかどうか全員に尋ねた。すると「十分に講じている」が19.0%、「ある程度講じているが改善の余地がある」は56.5%で最も多く、「講じているが効果を実感できていない」は12.5%、「講じていない」が8.5%、「わからない」が3.5%となった。

対策を講じてはいるものの十分とは言えない状況であったり、効果が感じられなかったりしているケースが多く、全体では実に77.5%のオーナーが空室対策に何らかの課題を感じている。

賃貸経営において最も重要だと思う要素が何か、3つまで選んでもらったところ、トップは「入居率の向上」の34.0%、2位が「設備の維持・修繕」の33.8%、3位は「経費やコストなどの支出管理」の28.7%となった。

以下4位は「長期的な資産価値の維持・向上(大規模修繕)」の23.0%、5位に「家賃滞納への対策」の20.8%、6位「環境の維持」の19.0%、7位「入居者の対応」の18.5%、8位は「物件の価値向上」で17.8%、9位に「法律や条令の遵守」の13.8%、10位「競合物件の調査と分析」の13.0%などとなっている。

さまざまなポイントがある賃貸経営だが、多くのオーナーが安定した入居率の確保を最優先課題と考え、さらに設備維持やコスト管理も重視することで長期的な資産価値の維持向上、収益性アップを目指していることがうかがわれた。

参考にするのは管理会社からの提案が最多
空室が埋まらない主な理由は何だと思うかを尋ねた結果では、「物件の築年数が古い」が最も多く、32.5%にのぼった。2位は「近隣に競合物件が多く競争が激しい」の28.9%、3位は「立地条件が悪い」の26.4%だった。

4位には「広告・募集活動が不十分」の22.5%がランクイン、5位は「管理会社や仲介業者の対応が不十分」が21.3%で入り、6位が「入居希望者の属性とターゲットが合っていない」の21.0%となった。7位には「設備が老朽化している」の20.7%もみられている。

築古物件であることや競争環境の激化、立地条件などを要因とみる向きが強く、空室対策においては、ターゲット層の見直しなども意識しながら時代に合わせた対応で価値向上を図っていくことが重要と考えられた。

空室対策で参考にしている情報や意見を尋ねると、「管理会社からの提案」が37.0%で最も多く、次いで「不動産仲介業者の意見」の35.6%になった。3位は「自身の経験や判断」で30.4%となっている。

4位は「入居希望者の意見や要望」の28.3%、5位が「SNSやインターネットでの情報収集」の27.4%、6位に「市場調査・最新のトレンド」の24.7%、7位は僅差で「他の大家さんの意見や交流情報」の24.5%となった。

管理会社や不動産仲介業者など、専門家のアドバイスを重視する人が多い。自身の経験に頼るケースも3割と一定数みられるが、全体的には可能な限り信頼できるところを選び、広く情報収集を図ったり、意見を聞いたりしているオーナーが多いようだ。

空室対策において、入居希望者のニーズをどの程度把握していると感じるか尋ねた結果では、「非常に良く把握している」が30.7%、「ある程度把握している」が最多で50.8%、「あまり把握していない」は15.2%、「全く把握していない」は3.3%にとどまった。

悩みや課題を抱えつつも、入居希望者のニーズ把握には自信があるオーナーも多く、「非常に良く把握」と「ある程度把握」を合計すると81.5%となり、8割超のオーナーがニーズを踏まえた対策を行っていると考えていた。

市場動向を意識しながら賃貸経営に臨んでいるオーナーの姿がうかがわれる結果となったが、なお対策実施には課題もあり、より的確な情報収集や市場分析も必要とみられる。

(画像はプレスリリースより)
(調査出典:「人と不動産」調べ)

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株式会社人と不動産 プレスリリース(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000159971.html

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