店舗・オフィスビル等への投資動向
内閣府は7月23日、マンスリー・トピックスとして「店舗・オフィスビル等への投資動向」を公表。民間の店舗・オフィスビルへの設備投資が今年に入ってから堅調に推移している背景について、考察をレポートした。先行指標となる民間の店舗・オフィスビルなどの建築工事費予定額を見ると、2013年1-5月の年率値は、2000年代平均と同水準まで改善した。用途別では店舗が最も大きく伸びており、次いでオフィスビル、学校の順となった。

店舗増加の背景
2013年1-5月で最も伸びが大きかった店舗着工について寄与度が高いのが、大規模総合スーパーを建設した千葉県。千葉県以外でも岡山県や三重県、大分県と全国的に伸長傾向にある。
まず、高齢化が進み、利便性の高い地域への人口回帰が進む中、総合スーパー各社は、市街中心部に大型店舗を建設することで、新たな成長機会を得ようとしていることが大きな要因となっている。
第二に、地方主要都市での駅前再開発が進んでおり、大型店舗の出店を誘致するケースが増加していることも挙げられる。
最後に、既設の大規模総合スーパーの老朽化が進んでいところに、大震災の教訓から耐震性の高い建物への建て替え需要が高まり、既存店を閉店して市街中心部へ出店する動きが出ていることも要因となっている。

今後の店舗着工の先行き予想では、高齢者消費への対応ニーズから、総合スーパー、コンビニ、ドラッグストアの出店が増加する流れは、大きく変わらないと考えられる。
今後の景気に左右されるとはいうものの、6月調査の日銀短観でも、小売業の業況判断DI(先行き)はリーマンショック以前とほぼ同水準となっていることから、今後も出店の増加傾向が続くとみられる。

東京都オフィスビルの着工動向
オフィスビル着工については、東京都を中心に神奈川県、埼玉県、愛知県などの大都市圏が大きく伸びていることが要因となった。
一方、着工はその3年前の2009年がピークで、その後は減少傾向にある。
これらの推移を見ると、着工と竣工はタイムラグを持ちながら、数年ごとにピークを繰り返していることが確認できる。

さらに、2013年上半期のオフィスビル需要の増加が、今後のさらなる着工増加を促す可能性もある。今後さらにオフィスビルの需要が増加すれば、賃料上昇期待はさらに高まり、オフィスビル着工の増加が促されるだろう。
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