マンションとスマート化についてのレポート
株式会社長谷工総合研究所が、「マンションとスマート化~高圧一括受電の可能性~」をまとめて、その中の一部を発表した。「住宅と環境」は 時代と共に変わってきているのだが、主な課題としては「地球温暖化対策としての省CO2」である。しかし東日本大震災と福島第一原発の事故以降は、CO2を省エネするということに加えて、電力危機があった場合の対応や、節電、防災の対応が重要な課題である。
現在のマンションは、戸建住宅に比べると太陽光発電が設置されにくい。集合住宅では1戸当たりの外面積が、戸建住宅に比べると小さく、断熱性や気密性が有利になるためだ。その一方で、戸建住宅に遅れをとっているのが太陽光発電である。最近では太陽光発電マンションもあるのだが、全マンションに設置するのにはまだほど遠い。

高圧一括受電でスマート化へ展開できるのか
マンション向けの高圧一括受電というのは、マンション全体で電力会社からまず業務用の高圧電力を一括購入する。そこから電灯契約の差額を利用して、入居者の電気料金を低減するというものである。このシステムは一戸ごとの電気料金が注目されるており、既に10万戸以上に導入済みである。最初はこのシステムを導入するという電気代節約が目的だったが、電力危機や防災対応が求められているようになり、高圧一括受電にスマートメーターを組み合わせて、デマンドレスポンス 、見える化、スマート化を導入するということができるようになった。
経済産業省はスマートマンションの導入を加速するとしてMEMS補助を実施している。また国土交通省では「持続可能社会における既存共同住宅ストックの再生に向けた勉強会」も行われており、一括受電によってスマート化が促進され、既存共同住宅への適用もできると考えられている。そのため今後も高圧一括受電や、スマート化が拡大していくと期待されている。
http://www.haseko.co.jp/hc/information/upload_files/20130220.pdf