大手町の最先端ビルに温泉施設
三菱地所は7月15日、千代田区大手町の「大手町連鎖型都市再生プロジェクト第3次事業」の敷地内で温泉を掘削し、温泉が湧き出しているのを確認したと発表した。源泉名は「大手町温泉」と名付けられた。「大手町連鎖型都市再生プロジェクト第3次事業」敷地内に、深度約1,500メートルの掘削を行い、組み上げた湯の分析を行ったところ、温泉と認定された。
温泉は平常時にはオフィス棟内に入居予定のフィットネス施設で、温泉入浴サービスを提供する。
さらに、宿泊施設棟に温浴入浴場を設け、東京オリンピックなどで増加が見込まれる観光客に向けて、日本独自の温泉文化を発信する。
また、災害時には災害活動要員や、事業継続のために働く従業員、ボランティアなどに開放される。

災害に強い都市に、温泉の安らぎを
「大手町連鎖型都市再生プロジェクト第3次事業」は、日本の顔となるグローバルビジネス拠点にふさわしい機能として「ビジネス支援施設」、「高度防災都市づくり」「快適で効率的な都市づくり」の3つをテーマに、開発を進めてきた。特に、災害時における事業継続支援設備を最重要項目に掲げており、「電力と上下水の自立型システムの確立」を目指している。
温泉掘削は、事業継続支援機能にホスピタリティの要素を加えた、ユニークな計画といえるだろう。大規模災害時の入浴需要に応えるとともに、災害活動に従事する人たちに、衛生的な環境を提供する。
中央温泉研究所が行った分析によると、泉質は「含よう素-ナトリウム-塩化物強塩温泉(高張性・中性・温泉)」。きりきず、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症などに効用があるという。
http://www.mec.co.jp/j/news.onsen.pdf