木材建築で1時間の耐火を実現
政府は2010年、CO2削減や低炭素社会の実現などを目的とした「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」を施行した。公共建築物を対象に、国が率先して木材利用に取り組むことで、住宅など一般建築物への波及効果を高め、木材全体の需要を拡大させるための法律だ。
しかし、木造建築物は耐火性能に課題があり、従来の木造技術では安全面で問題があることから、耐火性に優れた新しい木造建材の開発が望まれていた。
そこで、鹿島、東京農工大学、森林総合研究所、ティー・イー・コンサルティングの産学官の4機関が共同で、国産スギ材のだけを利用した純木質構造部材「FRウッド」を開発した。
「FRウッド」は1時間耐火構造の大臣認定を取得した、防火地域でも使える純木質耐火集成材。木材に難燃薬剤を注入して耐火性能を格段に高めた。
木の質感を生かした建築物でC02削減に貢献
東京都文京区「音ノ葉グリーンカフェ」建築物への適用を皮切りに、鉄筋コンクリート造や鉄骨造との混合構造を提案し、木材を適材適所に活用した建築物を推進する。建築物の木造化を普及させることで、環境負荷を低減し低炭素社会を実現し、国内林業の活性化と火災に強い安全な街づくりを目指す。
「音ノ葉グリーンカフェ」は、目白通り沿いの「椿山荘」に隣接する。東京都心の一等地に立地する。広大な緑地に囲まれたエリアでくつろぎのカフェ空間を提供するために、「FRウッド」が採用された。プレスリリース/鹿島建設株式会社
http://www.kajima.co.jp/news/press/201210/11a1-j.htm