三井住友系列の研究所が調査を実施
三井住友信託銀行株式会社は4月28日、同社が設置している「三井住友トラスト・資産のミライ研究所(以下、ミライ研)」による独自アンケート調査として、「住まいと資産形成に関する意識と実態調査」を実施、その結果をとりまとめて公開した。調査は金融や調査会社などの関連業種従事者を除く全国の18~69歳男女に、2025年1月、インターネット・アンケート方式で行われた。全サンプル数は11,435で、うち過去5年以内の住宅ローン利用者は581人だった。

住宅価格が上昇すれば、ローン借入も高額化・長期化の傾向をたどるのが一般的だが、注目が集まっている首都圏と、それ以外のエリアで住宅ローンの借入方法に差はあるのかは明確でない。
そこで今回の調査でその実態を明らかにすべく、3大都市圏(首都圏、近畿圏、中京圏)とそれ以外(その他)の4エリアに分類し、過去5年(2020~2025年)以内に住宅ローンの借入を始めた人を対象としてその動向を探った。


近畿圏は18~29歳が38.8%と他地域より多く、30~39歳は25.8%でやや少なめ、40~49歳が20.0%、50~59歳は11.4%などとなっている。
中京圏の場合、18~29歳は23.1%、30~39歳が45.6%、40~49歳が18.3%、50~59歳が10.5%などとなった。
その他地域では、18~29歳が17.0%と他のエリアと比べて少なく、30~39歳は42.4%、40~49歳が23.8%、50~59歳で10.3%、60~69歳が6.5%となっていた。
ややエリア差はあるものの、20代・30代の若年層合計では首都圏が62.5%、近畿圏で64.7%、中京圏で68.6%、その他で59.4%となり、いずれも過半、6~7割程度を占める結果になった。

近畿圏でも、「戸建て(新築)」が76.9%、「戸建て(中古)」が5.2%、「マンションなど(新築)」は9.6%、「マンションなど(中古)」は8.3%だった。戸建て合計は82.1%にのぼる。
中京圏では、「戸建て(新築)」が76.7%、「戸建て(中古)」が8.6%となり、その他では「戸建て(新築)」が75.6%、「戸建て(中古)」が10.5%となった。よって、戸建て合計は中京圏で85.2%、その他で85.9%とさらに高まった。
メディアではマンション価格の高騰が話題だが、実際の購入住居形態では戸建て派が圧倒的に多数となっている。

変動金利は都市圏に多め
住宅ローンの借入形態として単独ローンかペアローンかを尋ねたところ、首都圏では単独ローン72.4%に対し、ペアローンが27.6%となっていた。ペアローンが3割に迫るなど、不動産価格の高騰に伴い利用が増えている実態が改めて浮き彫りとなった。近畿圏では、単独ローンが89.0%と多数を占め、ペアローンは11.0%にとどまった。中京圏は単独ローンが81.6%、ペアローンが18.4%となっている。その他では単独ローンの79.5%に対し、ペアローンが20.5%だった。
首都圏に比べるといずれもペアローンの利用率は低めだが、それでも中京圏及びその他エリアで約2割が利用と、全国的に利用率が上昇してきているものと考えられる。

一方、その他エリアでは、「変動金利」が60.6%と3大都市圏に比べて少なく、約6割にとどまっている。「固定金利合計」が34.9%で、比較的多い傾向がみられた。

近畿圏では「1割くらい」が12.0%、「2割くらい」は33.2%、「3割くらい」が26.3%、「4割くらい」は23.8%で、5割以上は少ないが「4割くらい」との回答者が他地域よりかなり多くなっている。
中京圏は「1割くらい」が21.7%、「2割くらい」が34.5%、「3割くらい」で21.3%、「4割くらい」が18.9%などとなった。その他は「1割くらい」は18.4%、「2割くらい」が33.8%、「3割くらい」が28.9%で、「4割くらい」は7.2%と少なめになったが、「5割以上」も11.7%と首都圏に次いで多かった。

これらから、ミライ研ではペアローンの利用増加や返済設定期間の長期化について、首都圏だけではない全国的傾向であると結論づけた。
(画像はプレスリリースより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000111.000055547.html