不動産投資ニュース

アパート(不動産)経営

貸店舗テナント探し、3割超が「自宅近く」を選択

2023/4/19 10:00

アットホームが貸店舗探しの実態を調査
アットホーム株式会社(以下、アットホーム)は13日、貸店舗を借りたことがある人を対象に、その探し方や条件・設備、不動産会社に求めることなどを調査するアンケートを実施し、その結果を「貸店舗探しの実態調査」として公開した。どのような店舗テナント物件が魅力的に映り、成約となりやすいのか、オーナー側としても参考にできる有用なデータ情報となっている。

調査は、2023年1月20日~1月23日の期間、過去2年以内に貸店舗物件を不動産会社や銀行などの仲介を経て、借りたことのある21歳~69歳の全国男女を対象に行われた。インターネット・アンケート方式で、飲食店200人、飲食店以外200人の合計400人から有効回答が得られている。

運営店舗の業種内訳としては、飲食店200人のうち、大がかりな排気排煙設備が必要な「重飲食」が40人、そこまでの排気排煙設備は不要なカフェや喫茶店のような「軽飲食」が90人、「バー・スナックなど」が19人、「その他」が51人だった。

飲食店以外では、「美容・医療・介護」が19人、「小売・物販」が48人、「アミューズメント」が14人、「塾・スクール」が32人、「その他」は87人となっている。

まず、店舗物件を借りたエリアとのつながりについて、複数回答可で尋ねたところ、「自宅の近く」が飲食店関連で31.5%、それ以外で33.0%といずれも最も多くなった。

次いで多いのは「自宅の最寄り駅近く」で、飲食店で27.0%、飲食店以外でも22.0%にのぼる。3位は「職場の近く」で、飲食店が26.5%、飲食店以外は19.0%だった。

以下、4位に「職場の最寄り駅近く」の飲食店17.0%、飲食店以外14.0%、5位「知り合いに紹介された場所(直接つながりはない)」が飲食店で14.5%、飲食店以外で11.5%、6位は「不動産会社に紹介された場所(直接つながりはない)」で飲食店が11.5%、飲食店以外が12.0%だった。

7位には「収益が見込めそうな場所(直接つながりはない)」で飲食店が11.0%、飲食店以外の13.0%が入った。8位は「実家の近く」で飲食店が8.5%、飲食店以外4.5%、9位「憧れの場所(直接つながりはない)」で飲食店が5.5%、飲食店以外2.5%などとなった。

店舗向け物件というと、収益が見込めそうな場所を優先して選択しそうに感じられるが、実際のところは自身が自宅から通いやすい場所や、よく知っていて土地勘のあるエリアを選ぶ傾向が強いと分かる。

駅前立地はやはり魅力的、飲食店では人通りも意識
成約となって借りた店舗の立地条件について、当てはまるものを選択してもらうと、「駅前立地」が最も多く、飲食店で36.0%、飲食店以外で31.5%となった。やはり店舗として駅前の立地は魅力的であり、選ばれやすい傾向にあると判明した。

次いで多いのが「商店街」で、飲食店は29.5%、飲食店以外も21.5%となった。3位は「繁華街」で、飲食店で27.0%、飲食店以外が10.5%となる。

4位は「住宅街」で飲食店が23.0%、飲食店以外は24.5%と高く、「駅前立地」に次ぐ回答率だった。5位が「1階」で飲食店で14.0%、飲食店以外は19.5%となっている。

6位には「路面店」が入り、飲食店、飲食店以外とも13.5%だった。7位は「ロードサイド」で飲食店が10.5%、飲食店以外が11.5%となる。8位は「駅または駅ビル」で、飲食店が10.0%、飲食店以外は7.5%だった。

以下、9位に「2階以上」で飲食店が6.0%、飲食店以外は5.5%、10位「角地」の飲食店で5.5%、飲食店以外が3.5%、11位「最上階」の飲食店で2.0%、飲食店以外が1.5%、12位「地下階」で、飲食店は1.0%、飲食店以外が1.5%と続いた。

飲食店の場合では、商店街や繁華街など、人通りが多く華やかな場所がよく選ばれているが、飲食店以外になると、住宅街がそれらを上回り、「繁華街」はあまり選ばれないなど違いがみられている。

環境や設備条件では人の往来と広さが重点ポイントの基本
続いて、物件の環境などにかかる条件面で重視した点を選択してもらうと、「日中の人・車の往来」が飲食店で50.5%、飲食店以外で40.0%となった。「最寄り駅からの距離・道のり」は飲食店で49.5%だが、飲食店以外では45.5%で、最も多い結果になっている。

人通りやアクセスの良さを意識する点では同じだが、飲食店の方が、直接的な往来の多さを重視する傾向にあることがうかがわれる。

3位は「通行人の目につきやすいか」どうかで、飲食店で37.0%、飲食店以外が30.5%となった。4位には「周辺にどんな店舗があるか(競合店があるか)」が入り、飲食店で30.5%、飲食店以外では30.0%が重点ポイントに挙げている。

5位は「夜間の人・車の往来」で、飲食店で29.5%、飲食店以外では19.5%だった。続く「他にどんなテナントが入居しているか」は飲食店で27.0%、飲食店以外が20.5%となった。また「車で来店しやすいか」も意識されており、飲食店で27.0%となったほか、飲食店以外では30.0%と高く、4位と並んでいる。

「以前に入居していた店舗の評判」は飲食店で15.5%、飲食店以外が8.5%で意識されていた。

物件の使用や設備面について、重視した点を尋ねたところ、「物件の面積」が最も多く、飲食店で51.5%、飲食店以外では56.0%にのぼった。店舗として使えるスペースの広さは強く意識されている。

2位は「物件の形状(デッドスペースがないか、使いやすい動線か)」という点で、飲食店が44.0%、飲食店以外が42.0%で選択している。こちらも有効に活用できるスペースの問題といえる。

「水道・ガス・電気・吸排気の容量は十分か」は、やはり飲食店でとくに意識されており、3位の42.0%になっていた。一方、飲食店以外では優先度がやや下がり、28.5%となる。

「エントランスの形状(入りづらくないか、動線に障害物などがないか)」は飲食店で38.0%、飲食店以外で36.5%と、どちらも高い結果になった。やはり入りやすい雰囲気は、売上にも直結する部分だけに、重点を置いて見られている。

「厨房設備や水回りは使いやすいか」が飲食店で32.5%、飲食店以外では20.0%となった。「駐車場の有無・台数」は飲食店で24.5%、飲食店以外で21.0%に重視されている。

以下、「冷暖房設備の有無」が飲食店で22.5%、飲食店以外で15.5%、「エレベーターの有無(所在階が2階以上の場合)」は飲食店で20.0%、飲食店以外で14.0%だった。「建物外部への看板等設置の可否」は飲食店で18.0%、飲食店以外で14.0%に挙げられている。

「シャッターなどの防犯設備」は、飲食店で17.0%、飲食店以外ガヤや高い18.5%だった。「男女別トイレか」は飲食店で16.0%、飲食店以外で14.0%、「バリアフリー対応か」どうかは飲食店では14.5%、飲食店以外では9.0%になった。

仲介からは「街の特徴」を聞きたいに強い意向
店舗の物件探しにおいて、不動産会社のような仲介業者に教えてもらって良かったことを挙げてもらうと、飲食店・飲食店以外ともトップは「街の特徴」となった。飲食店で45.5%、飲食店以外で40.0%になっている。

飲食店の場合では、2位が「商圏人口」の41.5%、3位に「周辺駅・最寄り駅の総乗降客数」の39.5%が入り、4位は「街の居住者特性」で35.0%、5位「街の滞在者特性」の28.5%となった。

以下、6位に「街の居住者の年収特性」の26.0%、7位「就業者特性」25.0%、8位「周辺施設」の24.5%などとなる。

飲食店以外の場合、2位は「周辺施設」の33.5%で、3位に「街の居住者特性」で30.0%となった。4位は「商圏人口」の26.5%、5位に「周辺駅・最寄り駅の総乗降客数」で25.5%となっている。

以下、6位が「街の滞在者特性」で19.0%、7位「街の居住者の消費支出」で17.0%、8位「街の居住者の年収特性」と「競合店」の16.5%などと続いた。

飲食店の場合では、人通りの多さにつながる情報がとくに求められており、反対に飲食店以外には、周辺施設や居住者特性など、街の雰囲気とニーズ、環境面などにかかる情報が喜ばれている。

コロナは補助金で影響ありもそれ以外では限定的
店舗向けの物件探しに関し、コロナ禍がどのような影響をもたらしたかも調査された。まず飲食店に対し、自治体の補助金・助成金を利用したかどうか尋ねると、「利用した」が33.0%で約3分の1にのぼった。

このうち、制度の利用が出店の後押しになったかどうかを尋ねると、「後押しになった」とする人が89.4%で約9割にもなり、多くが補助金・助成金で積極姿勢になったことが分かった。

店舗物件探しに、コロナ禍の影響があったかどうか、全員に尋ねると「あった」は10.0%で、「どちらともいえない」が35.6%となった。「わからない」も9.0%にみられるが、「なかった」とする向きが45.5%で半数近くになり、影響は限定的であったと考えられる。

影響があったとする人の中からは、「コロナ禍により集客や人の動きに変化が起きているため、終息後のイメージ像が掴めず場所を決めあぐねた」といった声や、「コロナの影響で空き野場所が多かった」、「なかなか内見ができなかった」といった声があったという。

(画像はプレスリリースより)

外部リンク

アットホーム株式会社 プレスリリース
https://athome-inc.jp/

最新ニュース

関連ニュース

コメント

設立から1年「いこま設立から1年「いこま空き家流通促進プラットホーム」の成果 のページです。はじめての不動産投資に役立つ情報をご提供!不動産投資のすすめと不動産投資ニュースをご紹介させて頂いております。
各種法改正や投資のノウハウ、不動産投資市場の動向など最新情報を配信していくので、ぜひご活用ください。