ケイアイスター不動産が実取引データの市場分析結果を公開
ケイアイスター不動産株式会社は17日、2021年の住宅供給状況について、実取引データを基とする分析を実施、その結果をヒートマップで示し、公開した。この調査は、ケイアイスター不動産のアナリティクスチームが、該当年に分譲事業用地として仕入れ契約を行った物件データをまとめ、分析したもので、同社の年間住宅供給数が初めて2,000棟を突破した2017年と、2021年の分布データをそれぞれに作成、比較して示したものとなっている。

しかし、2021年データでは、より幅広い郊外エリアに高い分布を示す濃い色の地域が広がっている。とくに、東京都心から約30キロの郊外エリアをぐるりと囲むように走る首都圏の大動脈、国道16号線沿いや、そのすぐ内側付近は契約が増加している。
中でも「南関東・郊外エリア」のニーズが高く、実取引の大幅な増加が生じているという。
都心へのアクセスが30~60分と遠すぎない距離にありながら、都心に比べて不動産購入価格を低く抑えられ、ゆとりある広さも確保しやすいこと、大型ショッピングセンターの出店や再開発で高い利便性が生まれていることなどが背景にあるとみられる。
また、新型コロナウイルスの感染拡大により、都心から郊外への流出傾向が生じたこと、テレワークやオンライン授業の普及、外出自粛などで通勤・通学の利便性より、街の発達と豊かな自然が残る環境の両方を享受できる住みやすさが重視されるようになったことも影響していると考えられた。

他の調査からも明らかになる戸建郊外住宅ニーズの高まり
全国の住宅市場動向として、国土交通省の「住宅着工統計」を基にみると、この10年で分譲戸建の新設住宅着工数は安定した増加傾向にある。2008年度には106,609戸であったところ、2020年度には129,351戸まで伸びていた。新設住宅着工総数に占めるその割合でも、2008年度に10.3%であったものが、2020年度では15.9%となっており、ますますその比率が高まっていると確認された。

「購入時期別住宅購入優先事項」では、トップは「購入価格」ながら、2位には「間取り・広さ」がランクインし、とくにコロナ感染拡大前の住宅購入者では「間取り・広さ」の重視者が49.2%であったところ、コロナ感染拡大後の住宅購入者の場合、58.9%と9.7ポイントの増加になっていた。
これらの結果から、コロナ禍において住宅の検討場所として郊外ニーズが高まり、間取りや広さを重視、都心から離れすぎない近隣エリアの戸建住宅に関心と人気が集まってきていると分析されている。
(画像はプレスリリースより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000275.000029869.html