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25年4月の都心5区大規模ビル空室率、久々の2%台に

2025/5/15 23:15

空室率が大幅に低下、21年5月以来の2%台
三幸エステート株式会社(以下、三幸エステート)は13日、2025年4月のオフィスマーケットデータをまとめたレポートとなる、2025年5月号を発行した。

千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区からなる東京都心5区のほか、東京23区と札幌市、仙台市、名古屋市、大阪市、福岡市の全国6大都市におけるオフィス大規模ビルの市場動向を見ることができる。

この調査における「大規模ビル」とは、1フロア面積200坪以上の賃貸オフィスビルのこと。「空室率」は貸付総面積に対する現空面積の割合で、「潜在空室率」は貸付総面積に対する募集面積の割合を指す。「募集面積」とは、各統計日において公開されているテナント募集面積の合計であり、統計開始日は1994年1月1日となっている。

オフィス不動産の市場動向に影響を与えるマクロ経済について、ニッセイ基礎研究所によると、5月16日に内閣府が公表予定としている2025年1~3月期の実質GDP成長率は、年率-0.9%で、4四半期ぶりのマイナス成長になることが予測されるという。さらに4~6月期では、米国の関税引き上げに伴う輸出および国内生産の下押しが大きく発生し、2四半期連続のマイナスを記録するのではないかともみられている。

一方、2024年度全体では0.8%の成長を、2025年度全体では1.1%の成長、2026年度全体では1.2%の成長を予測した。

3月の完全失業率は、総務省の労働力調査によると、前月より悪化して2.5%となった。厚生労働省が発表する有効求人倍率、その先行指標となる新規求人倍率では、ともに前月比で改善が見られ、上昇の記録となった。失業率と有効求人倍率で異なった傾向が出たが、いずれも横ばい圏の小幅な変動になっている。

2024年度の失業率は2.5%の予想、2025年度が2.4%、2026年度も2.4%で予測されている。

2025年4月の東京都心5区大規模ビル空室率は2.71%で、前月に比べ0.84ポイントのマイナスと大きく低下、改善した。2%台を記録するのは2021年5月以来のことで、久々の低水準といえる。

港区の新築・築浅ビルを中心にまとまった面積の空室消化が発生したことが主要因で、潜在空室率も4.70%に低下、前月比で0.61ポイントのマイナスになった。こちらは2020年10月以来の4%台へと突入している。

賃料は上昇傾向を継続、3万円台に
2025年4月の都心5区大規模ビル募集賃料は、月額坪あたり30,083円となり、前月より343円上昇した。17カ月連続での上昇または横ばいで、2020年11月以来の3万円台となっている。

湾岸エリアでは依然としてテナント誘致に時間を要しているものの、都心部では品薄感が漂うエリアが増加、賃料条件を押し上げる要素になっているとみられる。

そうした状況を反映するように募集面積の合計も413,553坪にまで減少、前月比で48,572坪のマイナスになった。2020年8月以来の30万坪台も視野に入ってきた。

募集賃料の対前年同月比は、2024年2月からこれで15カ月連続のプラスとなった。上昇基調が続いている。プラス幅についても、直近3カ月では5~6%台となり、上昇ペースが加速してきていることが分かる。

三幸エステートでは、募集賃料は市場動向の動きに遅行する傾向があるものの、この対前年同月比で見たトレンドは比較的安定しているため、今後も上昇傾向が続くと予測している。

活発なオフィスニーズを背景に募集床の減少傾向が続いており、周辺エリアへニーズとしてしみ出していく動きも一部にあるとされる。今年の供給はすでにピークを過ぎているため、需給バランスはいっそう引き締まっていく見通しだ。募集賃料の上昇ペースはさらに上がっていくのか、そうした点も今後の動向として注視される。

(画像はプレスリリースより)

外部リンク

三幸エステート株式会社 東京都心5区大規模ビル オフィスマーケットレポート 2025年5月号公開資料(プレスリリース)
https://www.sanko-e.co.jp/pdf/data/202505_tokyo_om.pdf

三幸エステート株式会社 ホームページ
https://www.sanko-e.co.jp/

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