不動産投資ニュース

アパート(不動産)経営

不動産投資のリスク管理を市況から賢く実行!

2022/7/13 07:00

三菱UFJ信託銀行が最新のリサーチレポートを公開
三菱UFJ信託銀行株式会社(以下、三菱UFJ信託銀行)は6日、不動産マーケットリサーチレポートの最新版、Vol.211「不動産投資のリスク管理と市況サイクル」の公開を開始した。

世界的な金融緩和の拡大で膨らんだ投資マネーの向かう先としてなど、依然高い投資意欲を背景に不動産市況の好調が続いている。しかし、こうした好調が続く時ほど、市況の変化に注意し、賢くリスクヘッジを図っていく必要がある。

そうした考えから、市況悪化の予兆をつかむための「取引回転率」と、価格下落によるインパクトを想定する「運用収益率」の推計を実施し、参考資料として発表した。

「取引回転率」は、国内法人が売主である国内不動産の売買に関する公表情報を基に推計した売買額合計を、国土交通省の「法人土地・建物基本調査」による国内法人所有不動産から算定した不動産のストック額で除して算出している。

すると、2010年~2012年の期間は、回転率が全国平均で0%台半ばの低位で推移していた。金融危機後の最悪な時期を脱して底を打ちつつあったものの、株価は低迷、不動産投資の収益率回復もごく緩やかにしか進まず、金融機関の貸出態度も引き締め的で取引が抑制されていたと考えられる。

2013年~2014年になると回転率が全国的に大きく上昇。日銀による異次元緩和も背景に、企業不動産の売買取引が急増した。2013年には回転率1.6%を記録している。物流系J-REITの新規上場による物件取得もあり、用途別では中でも物流施設の回転率が際立って高かった。

2015年~2021年になると、やや回転率が低下するが、大規模な金融緩和の継続による良好な資金調達環境などから、全国平均でおよそ1%台前半の推移が続いた。物流施設はECの拡大でコロナ禍を経ても旺盛な投資需要で高い回転率を維持している。

コロナ禍では、テレワークの普及など、ワークプレイスの見直しで自社ビル売却事例も増加、オフィスの回転率は新型コロナの流行前後をみても、大きな変化がみられなかった。一方、大きな打撃を受けた宿泊・観光業の影響で、ホテルの回転率は急速に低下している。

国内不動産投資累積リターンは中長期でみるとREITに近い傾向
続いて、J-REITの決算情報から、J-REITの保有する不動産の運用収益率が推計された。償却後NOI利回りでのインカムリターンと、鑑定評価額ベースの含み損益変動率によるキャピタルリターンを合計し、トータルリターンを算出、投資年の翌年前半を100とし、累積リターンを計算するものとしている。

その結果、取得年にかかわらず、世界金融危機後の一時期を除き、累積リターンは長く上昇基調にあることが分かった。含み損を抱えていた2007年取得のケースでも、オフィス(築浅・中規模)で2015年に、住宅(築浅)で2011年に、それぞれ投資時点の水準である100まで回復、その後は改善傾向を続けている。

下落インパクトとしては、2008年頃からの市況悪化時で、築浅・中規模オフィスの場合、-6%~-18%程度、築浅住宅では約-5%~-7%の下落が確認された。

また、これら推計不動産の用途別収益率を用い、国内不動産投資の累積リターンを株式や債券など他の資産と比較する試みを行ったところ、国内不動産投資累積リターンは、REIT(日本及びグローバル先進国)と同程度になったとされている。

不動産用途別では、2021年時点で住宅がオフィスよりやや高い傾向となった。

(画像はプレスリリースより)

外部リンク

三菱UFJ信託銀行株式会社によるプレスリリース(PR TIMES)
https://prtimes.jp/000000024.000036656.html

不動産マーケットリサーチレポートVol.211「不動産投資のリスク管理と市況サイクル」
https://www.tr.mufg.jp/

最新ニュース

関連ニュース

コメント

住宅購入時の「親の資金贈与」に関する実態調査 アットホーム のページです。はじめての不動産投資に役立つ情報をご提供!不動産投資のすすめと不動産投資ニュースをご紹介させて頂いております。
各種法改正や投資のノウハウ、不動産投資市場の動向など最新情報を配信していくので、ぜひご活用ください。