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国交省、「法人取引量指数」を試験運用で初公表

2022/4/2 19:30

不動産市場をより正確に把握するための新マクロ指標
国土交通省は3月31日、現在公表中の不動産価格指数、既存住宅販売量指数に加わる新たなマクロ指標として「法人取引量指数」を初めて公表した。

登記データを基に法人が取得した住宅または非住宅の既存建物について、移転登記件数を指数化したもので、まずは試験運用として、今後6月、9月、12月、3月の四半期ペースで発表を行っていくとしている。

リーマンショック以降、IMFなどからG20諸国に対し、経済・金融にかかる統計整備の要請が出されたことを受け、日本では不動産市場の動向把握などを目的に、不動産価格指数(住宅・商業用不動産)の仕組みが構築された。

だが、今後は不動産市場をより正確に把握する必要があり、さらに多角的な指標による分析が求められていると判断、2019年度に開催した「不動産市場のマクロ・ミクロ的な分析向上に向けた研究界」での議論を受けて追加分析を実施し、今回の「法人取引量指数」を公表するものとなった。

指数算定にあたり、建物の売買を原因とした所有権移転登記戸数を登記データとするが、このうち法人取得の住宅および非住宅で、既存住宅取引または既存非住宅取引ではないものを除いたものを対象にする。

また、既存住宅販売量指数と集計方法を統一し、比較検討可能な資料とするため、マンションにおいては床面積30平米未満の物件にかかる数値を含んだものとそれを除去したものが別々に、併用して公表されることとなっている。

ちなみに既存住宅販売量指数では、個人による床面積30平米未満のワンルームマンション取得が増大している現状を踏まえ、こうしたデータの場合分けによる集計・結果公表が行われている。

このほか、法人取引量指数の発表に関しては、各月の取引量における季節性を排除するため月次指数において季節調整を行うとされた。

2021年の法人取引量指数は前年比14.6%増
今回の発表は、2008年1月分から2021年12月分における登記データを基に指数化を行った結果として公開されたものになる。

それによると、2010年平均を100として指数化した2021年の法人取引量指数は、住宅・非住宅の合計が208.1で、前年の2020年における181.6と比べ、14.6%の増加になった。ちなみに2019年は198.7、2018年は197.3となっている。

月別の動向をみると、直近の2021年12月は、住宅・非住宅の合計が季節調整値で214.2となり、前月の232.1に比べると7.7%低下していた。

戸建住宅とマンションを合わせた住宅合計の季節調整値は233.6で、前月の245.2から4.7%低下、非住宅は182.0で、こちらも前月の204.2より低下しており、減少幅は率にして10.9%となる。とくに非住宅の減少が全体を押し下げている。

マンションの30平米未満物件を除いた場合では、2021年12月の全体合計季節調整値は217.9となり、前月比7.8%の減少となっていた。また住宅合計は242.8で、前月比3.9%の低下になっている。

地域別にみると、埼玉・千葉・東京・神奈川からなる「南関東圏」の法人取引量指数が合計で200.4、岐阜・愛知・三重の「名古屋圏」は233.1、京都・大阪・兵庫の「京阪神圏」は217.4となった。

主な都府県別では、東京都の合計が188.6で、前月より2.6%減少、愛知県は239.4で、前月より1.8%増加、大阪府は211.3で、前月より5.7%減少している。

(画像はプレスリリースより)

外部リンク

国土交通省 プレスリリース
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001474319.pdf

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