不動産投資ニュース

アパート(不動産)経営

不動産取引の完全オンライン化に向けた共同研究が進行中

2022/2/17 16:00

野村不動産ソリューションズが新規に参画を発表
野村不動産ソリューションズ株式会社は15日、株式会社エスクロー・エージェント・ジャパンと株式会社サイバーリンクスが進めてきていた、マイナンバーカードを活用する不動産取引の完全オンライン化・自動化に向けた共同研究に新規で参画、研究の推進に努めていることを明らかにした。

3社による共同研究として、現状の進捗状況や今後の計画についても発表されている。

実施されているのは、マイナンバーカードを活かした不動産取引決済手続きの完全デジタル化と自動化を目指す共同研究。まず、これを実現するための業務フロー策定や、残る課題の明確化を図ることを目指す。

昨今、日本の国際競争力強化と国民の利便性向上のため、さまざまな分野でデジタルシフトが積極的に進められているが、不動産領域も例外でなく、2022年5月には、これまで書面交付に限定されていた重要事項説明が非対面で実施可能となるなど、制度の変更・緩和も進んできた。

不動産登記申請の場面では、オンライン申請制度が普及しているものの、一部書類についてはなお郵送や持参が必要であるため、完全なオンライン申請を可能とする仕組みの構築が待望視されている。

共同研究では、複数の司法書士法人に参画してもらい、不動産売買手続きの電子化に関し、取引関係者の多様性によるIT環境やセキュリティ、ITリテラシーの問題、それぞれの関連法規制の課題から、やはり導入はかなり進みにくい状況であるとの認識をまず共有している。

その上で、サイバーリンクスが保持する公的個人認証基盤を活用した電子証明書機能を、エスクロー・エージェント・ジャパンのトランザクション・システムへ組み込むことにより、売主・買主・不動産事業者・司法書士といった取引に関与する人々が一貫して利用できるサービスプラットフォームの開発を目指しているという。

2フェーズ、6段階で実現に向け計画
研究は「机上シミュレーションによる業務要件定義」と「定義された業務要件に即したシステム要件定義」の2フェーズで進められる。

「机上シミュレーション」としては、すでに2021年8月から12月にかけ、不動産仲介と不動産登記の実務で扱う書類の電子化に関する課題整理を実施、完全オンライン化された場合の業務フロー仮説モデルを検証したという。

その結果、電子化が必要な書類として、不動産売買契約書や重要事項説明書などの不動産仲介業にかかる書類はもちろんだが、金融機関の業務で利用されるローン契約書や抵当権設定契約証書などの書類、行政機関で入手されるタイプの固定資産税評価証明書や住宅用家屋証明書などの資料書類などが挙げられることが分かり、これを基に不動産取引の完全オンラインか実現に向けたロードマップを6段階で定義するにいたったとしている。

このロードマップにおいて、不動産関連、金融機関、士業専門家の各業務領域における書類群の電子化が必要不可欠であるとともに、行政機関からの提供資料における電子化が必要と分かったが、現在、政府主導による規制改革実施計画が策定され、デジタル改革も進行中であるため、これが活きてくるであろう見通しが示されている。

研究第2フェーズとしては、6段階に定義されたロードマップのうち、第1段階として、ローンを活用せず、かつ行政資料は現行運用であるとの前提で、公的個人認証基盤を活用した電子証明書の機能を用いつつ、不動産売買、重要事項説明、権利移転登記に注目したオンライン取引を実際に行う予定としている。

4月には参画企業が買主となる売買取引や、モニター募集による個人間売買でのオンライン取引を実施する計画であることも示された。

まずはこれらにより、机上シミュレーションでは見えてこなかった実務上の課題を特定し、その解消を図っていく方針だ。

第2段階以降では、ローンを活用したケースや、規制改革によって行政資料の電子化も進展したことを仮定し、先行的に業界を横断した業務要件を定義、関連するシステムやサービスの開発を進めていくことを計画している。

外部リンク

野村不動産ソリューションズ株式会社 プレスリリース
https://www.nomura-solutions.co.jp/news/pdf/20220215.pdf

最新ニュース

関連ニュース

コメント

扱いにくい不動産の取引促進へ、住まいエージェントが新サービスを開始 のページです。はじめての不動産投資に役立つ情報をご提供!不動産投資のすすめと不動産投資ニュースをご紹介させて頂いております。
各種法改正や投資のノウハウ、不動産投資市場の動向など最新情報を配信していくので、ぜひご活用ください。