未婚者の住まい選びに見える“結婚観”の違いとは?
株式会社LIFULLは5月15日、「未婚者の理想の住宅条件」に関する調査結果を発表した。この調査は、同社が運営する「LIFULL HOME'S」が、1都3県に在住する20~40代の未婚男女を対象に実施したもので、調査期間は2025年4月15日~4月29日。事前のスクリーニング調査では8,277名が回答し、本調査には626名が参加した。
東京23区の人気は根強く、4割超の高水準を維持
LIFULL HOME'Sに寄せられた、シングル向け中古マンションへの問い合わせは、1都3県全体、および東京都、東京23区いずれにおいても増加傾向にある。コロナ禍で一時的に需要が減少したものの、2022年以降は回復が進み、現在も東京23区では4割超の問い合わせがある。
購入済み物件の種別を「結婚願望の有無」で比較すると、結婚願望なしの回答者は「中古マンション」の比率が最も高く37.0%。一方、結婚願望ありの層では「新築戸建て」が最多で、33.5%だった。
結婚願望なしの層では、コストパフォーマンスや立地の利便性といった要素を重視する傾向が見られる。これに対して結婚願望ありの層は、将来的に家族が増える可能性を見据えて長く住める物件を選ぶ傾向があるようだ。

物件選びの傾向にも“結婚観”の影響
既に住宅を購入した人を対象に、物件選びで重視したポイントを聞いたところ、「特にない/分からない」と答えた割合は、結婚願望ありで11.8%、結婚願望なしでは28.6%と大きな差があった。重視ポイントとして最も多く選ばれたのは、結婚願望ありの層では「駅からの近さ」(42.9%)。一方、結婚願望なしの層では「家の広さや間取り」(32.3%)が最上位となった。
また、両者の選択傾向には以下のようなかい離も見られた。「駅からの近さ」(11.6ポイント差)、「縁のあるエリア」(10.4ポイント差)、「災害への耐性」(9.7ポイント差)などが、結婚願望ありの層でより重視されている傾向にある。
妥協できない条件にも明確な差
物件選びにおいて妥協できない条件は、「電車以外の交通手段(バスなど)を利用する」「徒歩15分以上かかる」。結婚願望ありが58.6%、なしが52.1%と、どちらも上位を占めた。一方、結婚願望の有無によって差が見られたのは、「勤務地などよく通う場所までに乗り換えが発生する」(差異9.4ポイント)、「急行が停まらない」(差異7.8ポイント)といった交通利便性に関する項目だった。
結婚を見据える層では、家族との生活や通勤・通学のしやすさを重視する傾向があるようだ。
(画像はプレスリリースより)
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