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所有空き家、居住用やセカンドハウスでの利用希望者が増加

2022/4/2 23:30

資産たる空き家への愛着心や地域貢献意識が向上中?
株式会社クラッソーネは3月30日、現在空き家となっている不動産資産を所有する人々を対象とした2回目の「空き家に関する意識調査」を実施し、その結果をとりまとめて公開した。

第1回調査は2021年8月13日~8月15日に行われており、今回は2022年1月28日~1月30日の実施となった。いずれも空き家資産を所有する全国の30歳以上の男女が対象で、インターネット・アンケート方式により調査を行い、第1回では1,064人、第2回では1,053人から有効回答を得ている。

まず、その空き家となっている不動産を取得した経緯について尋ねたところ、最も多かったのは「相続した」の36.1%で、第1回調査に比べ9.3ポイント増加していた。

2位は「新築した・建て替え」の24.8%で、前回調査より14.6ポイントの減少と、大幅に低下している。自身の新築や建て替えによって、これまでの居住物件が空き家資産となったケースが減少し、親族が居住していたなどの物件を相続し、取得するケースがかなり増えていることが分かった。

3位は「新築物件を購入した」の20.4%で、前回に比べ1.3ポイントの微増、4位が「中古住宅を購入した」の12.8%、で前回比2.0ポイントの増加、5位は「無償で譲渡を受けた(贈与)」の4.1%で、こちらも前回より1.6ポイント増加していた。

続いて空き家になった理由について尋ねた結果では、「居住者が死亡した/相続したから」が31.1%で、前回調査時より6.0ポイント増加、2位は「別の住居への転居」の22.6%で、前回より9.6ポイント低下している。

居住していた親族などが亡くなるなどして相続したが、そのまま空き家になっているといったケースの伸びが目立っており、先の結果と同様の傾向が確認された。団塊世代から団塊ジュニアへの相続などが、時代として増えてきている可能性がある。

3位は「別荘・セカンドハウス用として購入したがほとんど使っていないから」の8.7%で、前回調査時より2.9ポイント増加、4位は「転勤や出張等により長期不在」の7.2%で、こちらは前回より2.7ポイント低下していた。

この2項目の増減に関しては、新型コロナの影響が長期化し、移動に制限や自粛がかかるようになってから、ある程度まとまった月日が経過したことも背景にあると考えられる。

以下「売却・賃貸や民泊事業用として購入したが活用できていないから」の6.8%、「居住者が施設入居や入院しているから」の6.3%などとなった。

家賃収入や売却益を目指す意識と愛着心が拮抗
現在、空き家となっている対象の不動産資産について、どのように活用したいと考えているか尋ねたところ、「自分や家族が居住したい(リフォームまたは建て替えを含む)」が37.2%で最も多く、前回より7.6ポイント増加していた。

2位は「自分や家族で別荘・セカンドハウスとして利用したい」の36.2%で、こちらも前回調査時に比べ10.5ポイントの増加と、大きく伸びている。

3位は「貸したい」の35.6%で、こちらは前回調査時に比べ、5.9ポイント低下した。4位は「売却したい」の34.8%で、前回に比べると1.4ポイントと微減だが、やはり減少している。

第1回調査時のトップ2が「貸したい」、「売却したい」であったのに対し、今回は自分や家族による「居住」と「別荘・セカンドハウスとして」の利用という自身での利活用がトップ2となり、やや空き家の積極的な運用意識が減衰している傾向がみられた。

5位は「物置として利用したい」の21.5%、6位が「寄付・贈与したい」の17.8%、以下「決めていない」が3.9%、「その他」は1.6%だった。

空き家を活用したい理由について尋ねた結果では、「現金化したいから/家賃収入にしたいから」が37.4%で1位となり、前回より2.0ポイント低下したものの、トップを維持した。

しかし2位には「愛着があり手放したくないから」が35.2%でランクイン、前回調査時の4位から上昇し、増加幅でみても14.3ポイントものアップを記録していた。

相続による空き家取得が増えたことで、すぐに不動産資産として運用し、利益を得たいという意識より、やはり愛着や思い入れがある、手放したくないといった意識が勝るケースも増えてきているのかもしれない。

3位は「将来その空き家に住みたいから」の33.5%で、前回に比べると1.9ポイント低下していた。4位は「週末や休暇などに保養目的として利用したいから」の27.6%で、こちらも前回に比べると3.6ポイント低下している。

5位は「親族などと揉めたくないから」の20.2%で、前回より2.1ポイント増加した。相続による取得が増えた影響は、ここにも認められる。

以下「流通性・市場価値が低いから」の18.0%、「地域貢献したいから」の16.4%、「残業などで遅くなった場合たまに寝泊まりしたいから」の16.2%などとなった。

特筆点としては「地域貢献したいから」という理由が、前回調査時に比べ、6.8ポイントとまとまった増加傾向をみせている点が挙げられる。物件だけでなく、そのエリアそのものにも愛着があり、地域活性につなげたいと感じる向きも増えていると考えられた。

(画像はプレスリリースより)

外部リンク

株式会社クラッソーネによるプレスリリース(PR TIMES)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000061.000038064.html

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