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24年1月の都心5区ビル空室率、微減も4%台後半の推移続く

2024/2/11 08:00

三幸エステートが最新のオフィス市況データを公開
三幸エステート株式会社(以下、三幸エステート)は9日、東京都心5区と全国6大都市の大規模賃貸オフィスビルを対象とした最新のマーケットデータを公開した。2024年1月度のデータをまとめた資料になっている。

この調査における東京都心5区とは、千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区を指す。「大規模ビル」とは、1フロア面積200坪以上の賃貸オフィスビル物件で、「空室率」は貸付総面積に対する現空面積の割合、「潜在空室率」は貸付総面積に対する募集面積の割合を示している。

募集面積は、各統計日に公開されているテナント募集面積の合計で算定される。ちなみに、統計開始日は1994年1月1日である。

市場に影響を与えるマクロ経済動向について、2023年10~12月期の実質GDP成長率は、ニッセイ基礎研究所の見立てで、年率プラス0.9%と、2四半期ぶりのプラス成長が予測されている。2024年1~3月期は、海外経済の減速により輸出が低迷、国内民間需要の伸びも低水準となるため、年率0%台の低成長にとどまる見通しという。

年度別予測では、2023年度の実質GDP成長率が1.5%、2024年度は1.3%、2025年度は1.1%とされた。

オフィス市況に直接的な影響を与えやすい失業率については、2023年12月の完全失業率が、総務省による調査で前月より0.1ポイント低下の2.4%となり、やや改善傾向となった。厚生労働省が発表する、有効求人倍率は前月に比べて低下したが、その先行指標となる新規求人倍率は横ばいだった。

宿泊・飲食など対面型サービス業の就業者数は増加傾向が続いており、コロナ禍では厳しい状況がみられたが、すでにコロナ禍前の水準を上回る回復となっている。

空室率はごく小幅な低下、賃料も横ばい傾向
2024年1月期における東京都心5区の大規模ビル空室率は4.91%で、前月より0.06ポイント低下した。わずかだが改善している。1月は新規供給がなく、既存ビルで館内増床などによる空室床の消化が進んだことが主な要因というが、大幅な改善にはつながらず、引き続き5%台目前での推移になった。

潜在空室率は7.60%で、前月に比べ0.20ポイント上昇している。自社ビルへ移転するテナントの大口募集床が発生し、値を押し上げる結果になったとみられる。

募集賃料は、共益費込みで月額坪あたり27,964円となり、前月に比べると94円の上昇になった。ごくわずかだがプラスとなり、2カ月連続でアップ、28,000円台の回復も見えてきた。募集面積は64万5,162坪で、前月に比べ1万4,653坪増加した。

中長期的には小幅な動きが続いており、横ばい傾向といえる。リーシング活動が長期化しているビル物件や、大口の募集床を抱える物件を中心に、テナント誘致を目的とした賃貸条件の緩和やキャンペーンが行われており、賃料における見直しの向きも続いている。

新規供給面積をみると、2023年は20万坪超の大量供給期で、2024年は10万坪見通しと、半分程度にとどまるとみられる。しかし、2025年には再び20万坪超の大量供給が予定されており、市場が大きく動く可能性がある。

2023年に竣工した大規模ビルでは、全体で8万坪超の募集床が残っているが、そのうち9割を港区の物件が占めているとされる。今年の新規供給は比較的低水準ながら、動きは鈍く、現時点での内定率は3割ほどと推計された。

2025年の大量供給も、2023年同様、港区に集中しているため、都心5区内での供給量における差がかなり大きくなるとみられる。大量供給期に挟まれた今年も、市場動向に注視が必要となるだろう。

(画像はプレスリリースより)

外部リンク

三幸エステート株式会社 プレスリリース(オフィスマーケットレポート 東京都心5区 大規模ビル 2024年2月号)
https://www.sanko-e.co.jp/pdf/data/202402_tokyo_om.pdf

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